奈良県(鹿県)にしかない少し変わった条例

山やま癒ゆの里寄附金条例(天川村)

天川村は、町村制の施行により明治22年に発足して以来、その独自性を尊守し一環(原文ママ)して「天川村」として、歴史を刻んで120年近くになろうとしている。[中略]

 

先人の人々が守り続けてきてくれた郷土の歴史や伝統、そして豊かな自然環境を今後も守り続ける村づくりを、自然や天川を愛する人々の参加により、寄附を通じた新たな住民参加型の地方自治を実現するため、「天川村山癒の里寄附金条例」を制定する。(前文より抜粋)

 

山癒とは「自然に心身が癒されながら生きること」

総面積の約98%が森林で覆われている天川村は、日本古来の山やま伏ぶしが修行を実践する地であり、今や国内で唯一、1300年以上も女人禁制の領域を堅持し続けている山上ヶ岳(大峯山)も擁します。

 

山中に男性しか登らせない扱いを「性差別である」と主張するグループと、たびたび衝突していますが、地元の女性住民の多くが、尊重すべき慣習として女人禁制を支え続けているとのこと。

 

戦後には「観光開発」「人手不足」を理由に、女人禁制の範囲を大幅に縮小した経緯があり、そうして現実との擦り合わせを必死に行いながら、伝統の火を絶やさず、ここまで来たのです。

 

歴史の蓄積を重んじる土地柄だけに、「平成の大合併」ブームに乗らず、ずっと村としての形を保ち続けてきた一面もあります。ただ、財政的には相当厳しいのでしょう。

 

いわゆる「ふるさと納税」が始まる前から、「山癒の里」という標語を作り、ネット上には凝った作りのホームページも用意して、かけがえのない村の自然や文化を解説し、援助を呼びかけます。1口1万円ですが、1万円以下の寄付でも受けつけてくれるそうです。

 

子どもを犯罪の被害から守る条例(奈良県)

路上など公衆の場にいる子どもに対し、「甘言を用いて惑わし」たり、「虚言を用いて欺い」たり、「言い掛かりをつけ、すごみ、又は卑わいな事項を告げ」たり、「進路に立ちふさがり、又はつきまと」ったりする行為を、最高で罰金30万円の犯罪だと位置づける条例です。

 

子どもを誘惑・脅迫しちゃいけないのは確かですが、問題は、目撃者が会話の内容を聞かず「なんとなく怪しい」という雰囲気だけを根拠に通報できてしまうため、誤認逮捕・冤罪を引き起こす危険がある点でしょう。「声かけ禁止条例」とのアダ名が付くのも無理ありません。

 

少年補導に関する条例(奈良県)

警察官などによる補導に、全国で初めて法的な根拠を与えた条例。喫煙や飲酒、深夜徘徊、無断外泊などのほか、不登校、出会い系サイトの利用、アダルトサイトの閲覧、ネット掲示板に他人への中傷を書き込むなどの行為まで「不良行為」と定義し、補導の対象にしています。

 

どうやら奈良県には、不健全さを決して許さない真っ直ぐなところがあるようですね。

 

落書きのない美しい奈良をつくる条例(奈良県)

前文で「落書きがはん濫し、郷土の美観と快適な暮らしが損なわれている現状は、私たちの心を痛めずにはおかない」と、悲しみを告白したうえで、落書き行為に最高10万円の罰金を科す条例。

 

刑法の建造物損壊罪などを適用するほどでない、軽度の落書きが対象です。

 

「山の日・川の日」条例(奈良県)

7月第3月曜日が「山の日 ・川の日」。この日は、国民の祝日「海の日」ですが、奈良は海岸線を持たない「海無し県」のため、県民にとっては、むしろ山や川に愛着があるだろう、というわけです。

 

この細かいこだわりが、奈良県議会の几帳面っぷりを感じさせます。

 

にぎわいの街建築条例(明日香村)

都市計画法48条は、市街地の開発に関して、国や自治体が助言などをするよう定めます。

 

しかし、村内の「にぎわいの街」区域に限っては、旅館やホテル、観光案内所、アトリエ、小さな物販店や食堂などを開くことにつき、村民の自由な判断に委ゆだねた、村おこし条例です。